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日本建築の伝統文化を守り、伝統木組みの技術を学ぶために、文化財建造物の改修設計も行っています。
文化財建造物には 保存第一の「指定文化財」と、生活可能な「登録文化財」 の2種類があります。
登録文化財なら住宅・店舗等に活用しながら、税減免などの公的補助を受けることが可能です。
■ 文化財保護のしくみ
文化財建造物には 保存第一の「指定有形文化財」と、生活可能な「登録有形文化財」 の2種類があります。
指定有形文化財」は、原形を保ったまま修復保存する制度で、改修や建物利用がきびしく制限されます。
登録有形文化財」は、建物を使いながら保存する制度で、住居・店舗などとして継続利用が可能です。
この2つは後述するように全く対照的な制度で、相互補完により均衡のとれた仕組みとなっています。
■ 生活できる登録有形文化財
建物を使いながら保存する「登録有形文化財」は、建物の改修や利用へ
の制限がゆるく、建物を住居・店舗・宿泊施設・展示施設などに継続利用
しながら、改修補助・税金減免などの公的補助を受けることができます。
登録対象となるのは築50年以上の歴史的・意匠的価値のある建物です。
 
もともとは欧州で歴史的街並みを活かすために考案された制度で、茨城県
でも「蔵のまち」真壁町などで、歴史的街並みの維持に活用されています。
「歴史的建物の維持が大変で、公的補助を受けたいけれど、あくまで住み
続けたい」 といった方には、本制度の活用をおすすめしています。
■ 凍結される指定有形文化財
保存第一の「指定有形文化財」は、建物の改築・利用への制限が厳しく、
建物の社会的生命を終わらせて、いわば凍結保存するかたちとなります。
おもに登録文化財よりも重要度の高いものが「指定文化財」に指定され、
国や地方自治体により修復保存されています。
 
修復保存・復元整備はほとんど(財)文化財建造物保存技術協会 などの
専門機関によって行われ、かけられる費用も登録文化財や古民家再生と
比べるとケタ外れです。文化遺産を後世に残すための大切な仕事ですが、
一般市民・民家にはあまり関わりのない浮世離れした世界です。
■ 指定文化財の活用事例
指定有形文化財でも単なる修復保存に留まらず、「活用する施設」として
整備改修された例もあります。東京都墨田区にある 「旧小山邸主屋」 は
その一例で、早稲田大学建築史研究室への技術協力として、私が改修
整備の設計監理を手がけた建物です。
 
隅田川沿いの生活文化がかおるこの古民家は墨田区指定文化財ですが、
生涯学習課のもとで 「生涯学習施設」として整備改修され、伝統文化活動
や各種会合の場として一般市民に開放されています。ホンモノの伝統民家
が希少な都内において、価値のある先駆的な試みと言えるでしょう。

 
文化財改修の事例: 旧小山邸主屋(墨田区指定文化財)
 

   
村田栄理哉/村田建築都市研究所 一級建築士事務所
茨城県つくば市松代 3-6-14-D202  Tel/Fax: 029-855-3133  e-mail: info@em-arch.com